「100%で走らない働き方」が当たり前になってきた話

50代になって、同世代の友人たちと話すと、昔と決定的に違うところがあります。
それは「全力で走り続ける前提で働いてない」ということ。

20代や30代の頃は、とりあえず“朝から晩までガリガリ働く”のが正義だったと思います。
寝るのがもったいない、休むのが不安、とにかく踏んで踏んで踏み続ける感じ。
でも今は違う。
みんな、仕事そのものはちゃんとやってるんだけど、力の入れ方に「配分」がある。

たとえば、「いまは7割くらいの力で会社を回してる」「大事なところは集中してやるけど、それ以外は5割、6割で流してる」という感覚を、同級生の経営者や現場責任者たちが普通に口にするようになっている。

これは手抜きではない。むしろ生存戦略です。
年齢とともにどうしても体力は落ちる。
夜遅くまで無理をして翌日もフルで働く…というのは、身体的にも精神的にも、もう現実的ではなくなってきている。

そこで自然に身についたのが「力を込める場所と抜く場所をはっきり分ける」という働き方です。
全試合で全力投球するんじゃなくて、勝負どころを見極めて投資する。
これはサボりではなく、むしろ“技”に近い。

そしてもうひとつの背景として、「昔ほど自分が全部やらなくても仕事が回る」という現実もある。
外注・スタッフ・仕組み化・AIなどのおかげで、かつては半日潰れていた作業が数十分で済むようになったりする。
だから、結果だけで見れば「前と同じ成果を、全力じゃなくても出せる」状態に移行しつつある。

これを私は「100%で走り続けない働き方」と呼んでいます。
そしてたぶん、これは“弱くなった”という話ではなく、“やり方が成熟した”という話なんだと思います。

次回は、じゃあその「余った力」はどこへ行くの?という話をします。
   

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